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あすかコーポレイトアドバイザリー株式会社
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ダイヤモンド社から出版されているマッキンゼー著による「企業価値評価-バリュエーションの理論と実践」はファイナンスのバイブル的な教科書で日本語版でも既に6版を数えるほどです。上下巻合わせて1,000ページ、お値段も8,000円を超すので、手に入れるにも読み通すにも気合が必要です。
この本の中では、ROICを使ったDCF法による企業価値評価の手法を詳しく解説しています。
我々の仕事の中では、スチュワードシップ・コード導入の前後で「ROEの投資家にとっての意味はなにか」「なぜ投資家はROEを重視するのか」という疑問が、投資先企業側から寄せられました。投資家の立場からの資本効率重視の議論を複数の企業取締役会で話させていただきました。
ここ数年の変化は、企業側から「ROICの持つ意味は何か」「なぜ企業はROICを重視すべきなのか」という問を受けるようになったことです。つまり、ROEのB/S逆側の指標である企業側から見た投資の効率性指標「ROIC」向上についての問題意識の高まりが背景にあるようです。

ROICは上記書籍の中で、DCF法企業価値への転換が説明されているのですが、そのロジックがあまり浸透していると思えず、どういう場合に適用可能であるのかという前提条件がしばしば忘れられているように思います。そして、「ROIC経営」という時には、「ROICをいかに高めるか」ではなく、企業価値の増大こそが本質なのです。ブログ2回に渡って、やや理屈っぽいですが、解説したいと思います。

まず、企業の全ての行為は、投資して回収するというキャッシュフロー流列マイナスからプラスへの時間軸上の流れになっています。そして資本コストを割引率として将来価値を現在価値に引き戻した時、そこに立ち現れる「現在価値の総和」がプラスであれば、「価値が創造された」と解釈され、マイナスであれば、「価値が毀損された」と解釈されます。ここまでは、ファイナンスの基礎の基礎のようであるのですが、企業がこの投資回収のS字を描くキャッシュフロー流列の集合体であるという事を、企業管理者は忘却しがちであると見受けられます。

つまり、企業価値増大を指向する企業というのは、このS字を描くキャッシュフロー流列によって回収された価値を更に次のより大きな投資に投じ、より大きな回収を行うという、投資回収の運動を拡大させていくものなのです。そして、B/Sはこの複数のS字の塊をある時間断面で切った断面の絵であり、さらにその断面の変化をある一定時間(年度や四半期)で記録したもの(時間微分)がP/Lなのです。

「企業価値を高める」とは、このS字集合体の投資回収の運動を、個々のS字の価値創造を大きくすると共に、より大きなS字を描くか、S字の個数を増やしていくかによって拡大していくという事に他なりません。断面や微分値である財務諸表はその計測手段に過ぎず、価値増大こそが、企業活動・企業意思決定の本質なのです。

ところで、この時間軸に沿ってという考え方は、人間だけに固有の考え方だと思われます。X軸Y軸などの空間表現と時間を等質のものだと表現し、「未来がやってくる」という表現に違和感が無いのは、この時間の「空間化」がほとんどの人にとって共通に認識できる感覚だからです。将来の成果のために、今、辛いトレーニングするとか、贅沢を我慢して、教育に投資するとか、全て大きな回収のために投資をするという行為です。これは時間の空間把握と事物の因果関係を認識できるからこそ可能なのであり、それは人間だけに許されている人間を特徴づける行為なのです。

書を捨てよ
ROICから企業価値へ
DCF法 企業価値

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