MC ははは。でもこういうインパクト投資でモデルができたりしているのは、“説明”をしやすくするためですよね。SDGsの17個のゴールもそうですよね。何を目指しているのかとか。色々なことが言われていますが、どんなインパクト投資でもいいと思うんですね。共通のゴールをアセットオーナーとどう共有するか、どう進捗を説明するかはKPIなのかなと。
MC いよいよ第4シリーズです。1シリーズ4回だから、このシリーズを始めてもう3ヶ月たったということですね。この間もインパクト投資ってなんだと言っているいろいろな人の意見も踏まえて議論してきたのですが、個人的にはどんな定義でもいいとおもっています。重要なのはアセットオーナーに理解されることなので、それにはKPIが重要だと思います。成果を見せないといけないですから。そこでコンシリーズではこんな議論をしたいと思います。もしここに大金持ちのアセットオーナーが現れて、“君に1000億あずけるよ、社会に意味のある投資をしてほしい”って言われたらどうしますか?ではTさんから
MC そんなことないですよ。リスクとリターンはセットですし。EUでも、ITは電力を使う割合が多い産業なので、初期のタクソノミにも入っています。電力を減らすこともできるかもしれないし、新たなイノベーションも出せるかもしれない、だからいろいろできそうですよね。でもそういった既成のKPIに拘らなくても、ご自身でエンゲージメントやオーナーへの説明でKPIおいているでしょう?ではKさん
MC 東京ガスは“生き残りのために必要”といいながら、あまり練れていない計画をだしたように見えるということですね。Kさんにお伺いしたいのですが、Kさんはいつも“配当については重要な約束だ”、というようなご意見だと思いますが、その東京ガスの今回提示された計画自体についてどう思いますか?また他の投資家も今年の配当が云々ではなく“長期にネガティブだ”と判断した可能性についてご意見をお聞かせいただけますか?
MC 今のところ、もうちょっと皆さんに聞いてみたいのですが、似たようなことがこれからどの会社でも起こると思うのですが、気候変更に対して大型の投資をすれば何らかの資本の割り振りをしなければならないと思いますが、そういう時、事前にどう投資家とコミュニケーションするべきか、またご自身が投資中の企業が、大型投資をすると言い出したとか、びっくりさせられることがあったとき、どう考えるかとか、ご意見をいただけないでしょうか。
MC ありがとうございます。では次にHさんにちょっと違うことを聞きたいのですが、インパクト投資といえどもオーナーがいると思います。アセットオーナーを抱えるものとして途中のキャッシュフロー、配当のことは無視できないと思うのですが、そういう資本配分とかは日ごろから心がけていることありますか?つまり、特にインパクト投資のような時、投資先の企業は大きな資本投資をする可能性もありますと、そうすると最初から投資戦略を、頻繁な配当の増減によらないように設計するものなのかとか・・・もし心がけていることがあれば
MC そうですね、今Hさんがおっしゃったように株価が下がったんですよね。Kさんがいったように、東京ガスは特殊で、配当が非常に高いことで投資家が計画的に持っていて、そこで急に下げられたら困るというのがあるかと思うんですが、そういう時に長期にインパクト投資を目指している時は、前回のシリーズで短期的な株価の変動は気にしないという議論をしたと思います。ところが、多くの投資家が長期の企業価値、もしくは経営姿勢に対してネガティブな反応を示したということになるのだと思いますが、こういう時はどういう風に行動をとりますか?
MC ありがとうございます。Hさんが言いたいことよくわかります。自分も数年前気候変動のことを国内の投資家の集まりで話すと必ず“気候にいいことだからといって、企業がそれだけやるのでいいのか?!”みたいな言われ方をして。でもその頃ヨーロッパではまったくそういう捉え方ではなくて、まず燃料費が安いからとか、メリットが前面的にでていたので随分ギャップがあるなと思っていました。日本の自動車会社は説明は確かにうまくありませんが、消費者の側は必ずしもそうではないのかなって思います。自分もプリウスを10年以上乗っていますが、燃料費も全然違うし税金も違います。でも国内でプリウスタクシーですらあんまりみかけなかったですが、ヨーロッパではテスラが出てくる前はタクシーならプリウスだけっていう時があったのに。国内ではなにか他のハードルがあるんじゃないですかね?コストや利益に対する執着であれば、国内の産業も相当あると思うんですけど。税制や燃料費など全体的に環境車のほうが今でもメリットはありそうですけど、まだ足りないとか。また日本の自動車会社は消費者の嗜好はかなりしっかり抑えていると思うんです。だから国内では消費者のニーズがまだ少ないのかな・・・
MC ありがとうございます。今の話も気候変動のインパクトと、実際のKPIが違うという重要な例だと思うのですが、気候変動のKPIが難しい例なので、ちょっとHさんとKさんの話に戻っても良いですか? Kさんのおっしゃっていた例は規制とか出てこないと、コスト的にメリットがあっても会社の収益モデルに影響が出てこないわけですよね。社会が何も言わなければ今のままの方がいいかもしれない、規制が厳しくなり炭素税が乗ったりしないと数字としては見えにくいということですよね。そしてHさんのケースは消費者の意識だとか色々なものあって、 もちろんHさんが言っていたように会社が消費者にメリットをしっかり説明することも大事ですが、自動車の場合環境車が売れるとダイレクトに社会にインパクトも企業価値も上がると思いますが、これもまた個人の嗜好だとかに影響を受け、また自分の場合も税制などの差がすごくなければ躊躇するかもしれないと思うのですよね。だから政府が“今年からハイブリッドカー値上げ!EVカーだけ!”と言うかどうかってものすごい影響が大きいと思うのですが、どうでしょう?
MC はい、ありがとうございます。そうですね・・・あのまた話のコシを追ってしまってすみません、ここで質問が来たのですが・・・。あと5分ですが、話せるところまで話したいと思います。えーいただいた質問は、東京ガスのケースです。気候変動に対応するために、資本配分を替えて行く、つまり何か資本投資をするという時に、必然的に配当がへるわけですが、こういったことに長期の投資家はどう考えるべきか、ましてや“気候変動の対応をしなさい、しなければダイベストメントしますよ”と言ったような投資家は本来どうずべきか。みなさまどうお考えになりますか?」
MC 今のケースだと、気候変動だけをフォーカスしたインパクトを考えると、例えば住宅に、欧州なんかであるかもしれませんが、CO2をより減らした住宅を取得すると税制上のメリットがあるとか、そういう“必ず売れる”という政策とセットでないと、そのKPIは利益の予想とリンクしないですよね。そういうことを質問者さんは聞いているのじゃないかと思いますが・
MC はい、ありがとうございます。みなさんがおっしゃったようにGのほうが歴史も長く、いろんなCGコードを導入した国で政策とかも古くからセットになって、投資家も動員して一緒に企業のガバナンスを良くしましょうという投資もあったと思うんですよね。でもこの質問者さんがおっしゃりたいことは、他のESG課題より早く重要性が認められた・・ではなく気候変動はただ他のEの課題よりも早く重要性が認められた・・・ではないかと思っているのですが、GとSはダイメンションが違う気がするので・・・。もしそう考えた時、Eの中にはいろいろな可能性があって、気候変動が非常にハイライトされている。排ガスとか・・・でもゴミの問題だともっと重要だと思いますけど。
MC そうですね。テーマとしては重要だと思うんですが、投資のテーマとして気候変動が取り上げられたのは、それがESG的に、前の質問者の方のご指摘じゃないんですが、ESG的に良いことかどうかも重要なんですけど、気候変動が産業にとって重要だったからという見方もできると思うんですね。気候変動に向けた事業にもっと投資して欲しい、今のところゴミの問題についてそういうアウトカムが見えにくいのかもしれないと思ったり・・・。
MC Eについては、G以上に“投資家の力を借りたいい”というのを堂々と言っている政府やレギュレーターもいるので、優先順位付けが出てしまう、これが二人目のご質問者の方が質問したかった背景にあるんじゃないかと思います。では時間になりました。次回もご質問を受け付けていきたいと思います。ぜひみなさまご意見・ご質問お待ちしています。
MC では、今日も“気候変動のように政策が反映するがゆえに、独特のターゲットやKPIをもつような投資”について続けて話していきたいと思います。ところで、クラブハウスのお知らせ画面にご案内しています通り、今日からは質問を受け付けています。 さっそくいただいた質問をみてみましょう。“自分はインパクト投資は理念として<いいこと>が重要だと思っています。ところがこの<いいこと>をファンドマネージャーがどのような論理や仮説で予想したかが重要ですが、気候変動については複雑すぎて論理的に仮説も検証もできないのではないかと思っています。またその仮説を満たすKPIも業績と連動するように置くのは難しいのではないでしょうか、それでアセットオーナーに説明できるのでしょうか”ということを疑問におもっていらっしゃるそうです。これについて皆さんどう思うか、聞いていきたいと思います。ではKさん
MC つまり、気候変動のためにやらなきゃいけないことは色々あって、企業側もこれに投資したいっていうことはあるかもしれないけど、Hさんとしては大前提としては企業価値と結びつくもの、もしかして政策の変更による揺らぎが起きにくいものなのかもしれないけれど、説明できるものであることが、重要だということですね。
MC 今のTさんの話は、環境問題でひとつのインパクトを考えていた時、他の雇用とかのインパクトとバーター関係になってしまうことがあって、そのジレンマで苦労されたと・・・今のようなケース、Kさんはどう思いますか?そのオランダのケース、環境を重視したために、何かが不便になるとか、そういうことはありませんでしたか?
MC 昨年、オーストラリアの投資家と議論する機会があったんですけど、その時聞いた話として、“今雇用がある”といってもずっと続くのかも投資家は考えなくちゃけない、と。つまりその企業のビジネスがサステナブルなのか・・・それがこのサステナブル投資などの議論の始まりだったのではないかなと。レギュレーションや環境の変化によってビジネスは変わるわけですよね。そのベットボトルを購入している先進国のトレンドが変わって、売れなくなるかもしれない。投資家は早めに先をみて企業に言っていかないと長く投資をすることが難しいということじゃないかと。
MC そうですね、ESG全体のいろいろな要素のなかで、“セット”になっている、ポジティブとネガティブで、裏表になっているようなインパクトがあるかもしれない。ところで雇用もそうですし、前回の人権問題などは、多くの人がどう考えるかに投資先企業の将来は影響を受けるのかなと思うんですが、環境はレギュレーションとか、政策の影響を受けるのかなと思うんですよね・・・。企業の事業において、途中で転換するのが難しいようなことがあって、だからレギュレーションなんかの動きをウオッチしなければならない・・・そう感じることはありますか?
MC 日本の企業でよく、“そうはいってもこれが必要”という人けっこういるんですよね。2度シナリオがいいとか、1.5度が必要とかいう人がいますが、それがいいか悪いはともかくとして自社だけでどうにもならない、影響がレギュレーションとか政策からやってくる、そういうのは環境にいいかどうかだけを真剣に考えると歯車が合わない感じがしますね。
MC そうですね。たしかに環境関係で、大きな会社で鉄を作っている会社で、ずっと高炉は石炭じゃなきゃダメなのだっていっていた会社も、水素で製鉄するとかいう時代ですから、大きな会社がコアビジネスで変わらなきゃいけないことがあって、そういう時に投資家が向かい合う時もありますよね。で、それとは別にさっきHさんがいっていたのは、企業が一生懸命変わろうとするんだけど、環境に関することはレギュレーションの影響が大きいので、自分で“良い”と思うだけではダメという点についてはどう思いますか?