MC 結局どういうふうに課題を見つけるかは異なれど、最終的に企業の価値を見つけるという投資家の役割は同じところにたどり着くと思うのですが、最初に戻って、このインパクト投資が欧州で流行って議論が高まっていった背景としては、アセットオーナーとアセットマネージャーの間で自分が何の社会的課題を解決したいと考えているかをわかりやすくするコミュニケーションの部分かなと思っています。このシリーズでは続けて“自分の投資をどうやってアセットオーナーに分かってもらうか”とか、“企業にもどうやって分かってもらうか”などを話していきたいと思いますが、まずは次回は、“上場企業への投資でインパクトってどうやって起こせるのか?”について話して見たいと思います。
MC そうですね、ヨーロッパのアセットオーナーを回っていると、私の世代から見ると、ちょっと驚くほどまじめに“世界を良くしたい”という思いを語られますよね。そのオーナーが、自分が委託しているすべてのアセットマネージャーにも同じ方向を向いて投資して欲しい、たとえばヨーロッパだとグリーンの投資をして欲しい、というアセットオーナーが、インパクト投資として上場株も同じ分野で力をいれて欲しい・・・というケースをみかけ、「こういう思いをもっている日本のアセットマネージャーもけっこういる!もっと日本人アセットマネージャーはインパクト投資に興味を持つべき」と思ったのです。
MC そうですね欧州でアセットオーナーが旗をふって“インパクト投資”と言っているケースではご自身がゴールを設定していて、このゴールにあわせて、インパクト投資してくれるアセットマネージャーは手をあげてください、みたいなコミュニケーションをみかけます。数年前、オランダのPGGMとAPGは、共同でインパクトゴールのタクソノミを発表しました。もとはSDGsの中のいくつかのカテゴリで、たとえば貧困をなくすだったら、自分たちが注目しているのは、マイクロファイナンスです、とかタクソノミの小項目に書き込まれています。飢餓をなくすのところには、たとえばフレッシュな食べ物のローカルアクセスの事業とか。そういう風に自分たちが注目しているインパクトを示して、同時にアセットマネージャーだけでなく、企業にも伝えたいそうなんですね。それにアセットマネージャーが参加していくと、全体で大きな力になり、社会的な動きを促進するパワーになります。これは面白い仕掛けだなと思いました。SDGs17あればだいたいどっかに入るかなと思いますが、社会的にいいことしたいというのはなんとか拾ってもらえると思うので、アセットオーナーの考えと一致するところが見つかるといいのかもしれません。
同GIINによれば、インパクト投資とは”Impact investments are investments made with the intention to generate positive, measurable social and environmental impact alongside a financial return. Impact investments can be made in both emerging and developed markets, and target a range of returns from below market to market rate, depending on investors’ strategic goals.”